歯周病(歯槽膿漏)は、軽い歯肉炎程度から抜歯をしなければいけないほど重度の方まで、かなり多くの方が罹っている病気です。しかし、かなり進行した状態にならないと自覚症状が出ないために、ご本人が歯周病と気づいていらっしゃらないケースが、非常にたくさんあるのです。
こちらのTさんも、歯周ポケットが3〜8ミリ(正常値は1〜2ミリ)であることを知って、はじめて、ご自分が歯周病であることに気づかれました。カウンセリングで、歯周病の中等度にさしかかる段階であること、虫歯治療よりも歯周病治療を優先したほうがいい旨をお伝えし、健康に気づくための歯周病治療がはじまりました。
<歯周病治療を優先する4つの理由>
1) 歯の骨を守るために
歯周病が進むと歯の土台となる骨がなくなってしまいます。虫歯治療を先にしても、歯周病を治さないと歯を失うことになってしまいます。
2) いい状態で詰め物・被せ物を入れるために
歯ぐきから血が出たり、歯が汚れていたりといった状態で虫歯治療をおこなっても、虫歯治療の際に入れる詰め物・被せ物をいい状態で入れることは、とても困難です。
3) きちんとした型をとるために
歯周病による出血があると、虫歯治療の際に型をとる材料が汚染・変形してしまうため、精密な詰め物・被せ物をつくることは、とても困難です。
4) 被せ物を入れたあとで歯肉のラインが下がらないように
歯周病のまま被せ物をして、その後、歯周病治療をおこなうと、歯肉の状態が改善してひきしまったときに、被せ物の根元が黒く見えてしまうことがあります。
歯周病は生活習慣病のため、食事も含めて、普段の自分の生活を見直すことが必要です。
これから歯周病の治療をしていくにあたって、原因を知ることによって、治療や予防を効果的におこなうことができます。
虫歯・歯周病の原因となる歯垢を取り除くには、歯ブラシを使うしかありません。ご自分でホームケアをがんばっていただくことではじめて、治療が成功へと向かいます。また、治療終了後、ホームケアが維持できなくなると、再発の可能性が高くなってしまいますので、おうちでの歯ブラシなどのお口のなかのケアと、生活習慣の改善が治療の鍵となります。
歯石などの感染物質は、ホームケアではとりきれないため、歯科衛生士が状態を把握したうえで、ケースにあわせてハンドや機械で除去します。
歯科治療器具紹介
白水貿易社製 超音波治療機器 スプラソンP-MAX
先に歯周病や歯内治療用のチップをつけて使用します。
感染物質を除去し、ホームケアが充実したあとに、歯の表面を研磨し、虫歯予防にも効果のあるフッ化物を塗布することにより、細菌の再付着を予防します。
最初の状態と比較するために再検査をおこない、治療の効果が現れていないところに関しては、再度、治療をおこないます。検査結果については、後日説明させていただきます。
8ヵ月の通院で、歯周病はかなり改善されました。
お口の中の清掃状態もよくなり、歯肉がひきしまったのがわかると思います。
8ヵ月前は、歯周病であることに気づいてもいなかったTさんは、治療中、大好きだったコーラを飲むのをやめたり、お酒を飲んで帰ってきても寝てしまわずに歯ブラシを握ったり、努力を続けられました。このように、今まで意識していなかった健康について、Tさんが考えはじめるようになったことが、何よりもの収穫です。
歯周病治療は、治療を終えた時点が、健康への第一歩です。健康なこの状態を維持するためには、ホームケアとメインテナンス(定期検診)が欠かせません。
基本は保険診療です
熊谷歯科医院
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